都心の美術館2010/12/19

根津美術館へ。                                                                                 東京南青山にある根津美術館は、それまでの本館(今井兼次・設計)を取り壊し、新たに隈研吾建築都市設計事務所により建て替えられ昨年新規開館した。                                                                                良かった(いい美術館という意味)です。                                                                 それまでの本館も結構な有名建築でいい建物だったのだと思うのですが、何せ1954年の建物で(古いから悪い訳ではないが)、この半世紀以上の間の周辺環境の発展のしかたは目覚ましいから、若干時代に取り残された場所になっていたような感があった。                                                          また、扱っている展示品が古美術だから、この辺りを訪れる人々の年齢層とのギャップもあって尚更である。                                                                 昔、旧館時代に私が行った時は、人も少なく年齢層も高めだったような記憶がある。                                                                                  でも今日は、若いカップルや、外国人のツアー観光客風な人たちで結構賑わっていた。                                                                               建築が、展示品と人とのギャップを埋める事に成功した好例だと思う。                                                                                          美術館は、展示物を観賞する事が主要な目的なのかもしれないけれど、そんなインテリっぽい要素だけではなく、もっと気楽に、デートの場所に利用するとか、通りすがりに入ってみるとか、何か娯楽的な要素も備わっていた方が良いと思っている。                                                                   都心にある美術館ならば、尚更そうした要素を求められるのではないか。                                                                                        そうしてやって来た人と、美術品とを繋げるきっかけをつくる場でもあるのだから。                                                                                  ちなみに前の美術館に比べると、今の美術館はかなり入りやすい雰囲気になっていると思う。                                                                             建物のデザインが良いというのも確かだけど、一番良くなったのは、通り側の塀が無くなり、竹による接道緑化で、敷地と通りとの領域境界が柔らかくなった事と、表参道の交差点から直接美術館へアプローチ出来るようになった事だと思う。                                                                       前は確かこのアプローチは無かったような気がする。