法隆寺2014/01/14

法隆寺は、言わずと知れた聖徳太子により創建されたとされ、境内は西院と東院伽藍から成る。中でも西院伽藍の金堂・五重塔・中門は現存する世界最古の木造建築である。                                                                  しかし、この西院伽藍も創建当時のものではなく、『日本書紀』によると670年に法隆寺が焼けたとされており、その後の再建であると考えられています。                                                                                 奈良には古代寺院の伽藍がたくさん現存しているが、法隆寺境内の「空気感」とでも言うのだろうか、その雰囲気はどの寺院にもない特別なものを感じずにはいられない。                                                                   大げさに言えば、日本の原風景と言えるような「におい」があります。                                            近年では、聖徳太子の虚像説なんかも出ているが、事実がどうであれその「におい」は褪せない。

エンタシス2014/01/26

飛鳥・奈良時代の古建築には、エンタシスと呼ばれる丸柱に膨らみのついた意匠をもつものが見られる。                                                                  法隆寺西院の中門(写真)は、特にそれが顕著に確認できる例だろうと思う。                                                                                    --------------------------------------------------------------                                              このエンタシスを持つ柱のデザインは古代ギリシアの神殿建築にも見られる手法で、人が下から見上げたときのバランス、安定感を意識したものだと言われています。                                                                         不思議なのは、古代ギリシアでいうと例えばパルテノン神殿なんかは紀元前400年頃であるのに対し、法隆寺は西暦600年代後期から700年代初頭頃の建立と言われており、年代はもちろん距離的にもかなり離れた位置関係にあるにも関わらず、同じ様な手法が用いられている事で、驚きです。                                                                                                                         当時の日本が、ギリシア建築を知っていたとも思えないし、偶然の産物、、、、、いや、、、偶然とかではなく、バランスや安定を感じる感覚には、人類に共通の感覚のようなものがあるんだろうなぁ。