22009/05/18

竪樋
少し前の新聞に「3」という数字が日本文化には欠かせないという記事が出ていた。                                                                                   確かに3という数はよく使われる。多くもなく少なくもなく「良い加減」ということらしい。                                                                                  それでは、デザインで「3」という数字はどうかと言うと、必ずしも「良い加減」とは言い切れない。                                                                           デザインで「良い加減の数字」として多く用いられるのは「2」ではないかと思う。                                                                                     写真は安藤忠雄さんがよく使う竪樋のデザインで、1本はダミー。つまり機能として必要な物は1本で、残りの1本は飾りである。                                                       ただ、この飾りの果たす役割はかなり大きい。                                                             本来は雨樋なんて見せたくないような代物であるけど、機能的には不可欠。                                                                                       そこで横に1本ダミーを付ける事により、「雨樋」という意味合いを薄めている。                                                                                      (これはヴェントキャップなんかのデザインでも良く用いられる。)                                                 ただ、これが3本になるとかなりくどいし、バランスも良くないように思う。                                                                                        結局はバランスの問題なので、「2」という数字を意識してこうなった訳ではなく、バランスを考えたら結果「2」になったという事であろうけど、結構「2」でまとめられたデザインは多い。                                                                   考えてみると、人間や他の動物の構成要素は「2」でワンペアのものが多い。                                                                                      目とか耳とか鼻の穴とか手とか足とか。。。                                                               形のある物は「2」つでバランスをとっている。                                                              それが自然なのかもしれない。

コメント

_ (未記入) ― 2009/05/19 05:46

3という数は、古代エジプト文明では重視されたという。2という数は、易経の基本である陰陽概念にもあるし、コンピューターの0と1で展開される手法とも一致する。電気もプラスとマイナス。中国の易経はライプニッツによってヨーロッパに伝えられました。2は人間にとって精神的に安定感のある基本的な数なんでしょうね。

_ M.MIZUKAMI ― 2009/06/04 19:24

「対」という事なんでしょうかね。                                               ちょっと「バランス」というニュアンスとは異なるかもしれませんが「陰」と「陽」なんかは、対極の2つでお互いの魅力を引き出す。                                                       そもそも「対極」という概念に3つ目の要素はありませんもんね。                                                             だから、やっぱり「二つで一つ」という言葉は概念的にも外れてはいないのでしょう。

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