如庵 ― 2008/09/28
如庵は、織田信長の実弟、織田有楽によって建てられた二畳半台目の国宝茶室。 元は建任寺(京都)塔頭正伝院にあったものが、昭和47年に愛知県犬山市の有楽苑に移築された。 「有楽窓」と呼ばれる詰打ち竹格子が嵌め込まれた窓や、古暦が書かれた腰張り等、随所に意匠的な工夫が見られるが、中でも特にこの空間に特徴を与えているのが、中柱と床柱に挟まれた点前座廻りの構成です。 茶道口から床柱に壁を斜行させ、茶道口から見た点前座の正面に中柱を立てて杉板を嵌め込み、そこに火燈口あけ、点前座向こうの半畳の空間と二畳の客座の空間を見事に繋げている。 機能的にも、壁を斜行させる事によって、茶道口から客座への給仕がしやすくなる等の利便性も兼ね備えられているようです。 とにかく、こんな小さな部屋に、これだけのふくらみを感じられる空間が演出できるものか。という感じです。 国宝の茶室は、他には有名な千利休による妙喜庵「待庵」(京都)、小堀遠州好みの大徳寺龍光院「密庵」席、がありますが、いずれも非公開か、見学には手続きが面倒で、それに比べると「如庵」は外からなら内部を見ることは何時でも可能ですし、内覧も期間さえ合えば簡単に体験できるところが良い。
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