複雑な天気2007/10/01

それにしても、つい3日程前は「残暑か!」と思うくらいの暑さで少し歩いただけで汗が出てくる様な天気だったのに、土曜日からは、今度は半袖では肌寒いくらいの秋雨模様となってしまった。                                                                この次の晴天の日には、さすがにもうセミの鳴き声を聞くことはできないだろうなぁ。。。                                                                                  セミで引っ張る。

準防・木造3階建て2007/10/02

成り行きで準防火地域内・木造3階建ての戸建て住宅の設計に係ることになりそうである。                                                                               木造3階建ての戸建て住宅の設計に係るのはこれが2度目。                                                    都心部の用途地域は大半が準防火地域以上の防火指定を受ける地域内に入っていて、準防火地域内の木造3階建て住宅の設計は初めての場合、とっかかりで混乱する。基準法での仕様規定の読み解きである。                                                   そもそも建築基準法というのは文章にまともにぶつかっていくと頭がおかしくなってくるものなのです。                                                                            簡単にいうと準防火地域内の木造3階建て住宅には、所謂「準防木3仕様」と言われる規定の適用を受ける方法と、「準耐火構造(イ準耐)」、所謂準耐火性能を有する建築物として設計する方法の2つがあります。                                                     「準防木3仕様」というのは[施行令136条の2]に規定された技術的基準で、外壁開口部の構造と開口面積に厳しい制限を受ける事など、住環境の面から考えると正直、いい規定とは思えない。                                                               そこで、現在では「準耐火建築物」として設計されるケースが殆どです。                                            「準耐火構造(イ準耐)」の仕様規定は主に[告示1358号]に細かく定められていて、これもよく読まないと頭が混乱しそうになります。                                                        「木造の準耐火建築物」で一番気をつけなくてはいけない所は、現場監理です。                                         設計者ですら混乱しそうになる細かい規定で、まして準耐火構造の規定自体がまだ新しい規定なので、当然現場の職人さん達が把握していると思わない方が良い。                                   設計者が丁寧に仕様の重要さを図面にはもちろん、直接説明して理解してもらわないと、「準耐火構造になりきれない物」が出来上がってしまう。                                                                                             だからまずは設計者がきちんと解り易い図面を描く事が必要になってくる。                                                                                          -------------------------------------以上 木造準耐火のメモ

Shade2007/10/04

リッツウェル ソファ・テーブル
この夏にShadeという3Dソフトを購入してみた。                                                               ずっと以前から検討していたのだけれども、なんとなく後回しにしてずるずると引っ張ってきてしまった。                                                                          Basic版であれば、そんなに高くない。恐らく建築の3Dパース程度であればBasic版でとりあえずは事足りるのではないかなと思っている。                                                    これまではパースを作成するのに、製図ソフト(CAD)に付属の3D機能を利用していたのだが、ちょっと不自由していたのが、そのソフト単体では思ったような質感や陰影が出せない事。                                                                     それでどうしていたのかと言うと、とりあえずそのソフトで3Dを作成し、おおよその輪郭を白黒でプリントアウト。そしてその上から今度は更にもう一度手描きでトレースして、最後に鉛筆や色鉛筆或いは水彩で着色という工程を経ていた。                                     だから最終的にクライアントに提示する時は手描き図面という形になっている。手描きといっても一度3Dでベースは作ってあるので、1日で4~5カットぐらいは作成できる。それで十分である。それはそれでアジがある。                                                ただプレゼンテーションの手段としては、実物に近いマテリアルを出せるソフトというものもあれば、それはそれで魅力であり、Shadeはそれが可能である。                                                                                       上の3Dパースは、ガラスのソファーテーブル(リッツウェル)で、今まで使っていたソフトだと天板のガラスのクリアな表現が出来なかった。                                                     ちなみにShade購入後、初めて一から作成した物なので、説明書を見ながら2日かかってしまった(正味4時間くらい)。モデリングの考え方が今までのソフトとは全く異なるので、まだまだそれに馴染めない。この程度であれば20分ぐらいで出来るようにならなければ、まだまだ使えるソフトとはならない。                                          次は、Shadeのもう一つ、最大の特徴とも言える自由曲面のモデリングの練習も兼ねて、ヤコブセンデザインの名作Seven Chairに挑戦。                                                      いつまでかかるやら・・・。

余白な一日2007/10/05

行き詰っている。                                                                                 たった10㎡足らずの増築なのだが、既存2階の上に載せるという計画で、ここ1ヶ月くらいはこれをメインにずっと考えている。非常に難しい。                                                  構造的な問題はクリアしそうだが防水と施工方法の問題で行ったり来たりしている。                                                                                     この手の特殊な工事は施工者任せでお願いしてしまうと後に問題になる可能性があるので、ある程度はきちんと将来的な事も想定して計画する必要がある。                                                                                   が、正直こういった増築に関する、技術的な参考資料が無い。特殊すぎる。                                             あんまり煮詰まってしまったので、天気も良くなったし、午後からは久しぶりに展覧会を散歩がてら観に出かけた。                                                                   月島のタマダプロジェクト・ギャラリーに行く。キム・ホノ展。                                                       とても良かった。                                                                                ちょっとヴァナキュラーな匂いのする現代アート。                                                              ギャラリーも倉庫(2階)のリノベーションで天井の高い空間が飾り気のないシックな感じを醸し出してていい感じ。                                                                   特に現代アートと言うのは「余白」が大切だと思う。                                                         何も無い真っ白い壁面が、いっそう作品に力強さを与える。                                                        詩で言うならば「行間」のような物。                                                                     「余白」が緊張感を与え、リズムを与え、空間を創り出す。                                                       それを、再確認。                                                                                月島に来たにもかかわらず、もんじゃを食べず。。一人でもんじゃ焼きもなんだし。。六本木の東京ミッドタウンを散策し、ギャラリー間で建築家の展覧会を観て、青山一丁目でスケッチをしてそのまま帰路へ。                                                         平日の昼間から仕事サボってなんだ!という感じだが、後で「余白な一日」になったと言えるよう明日からまた、山積みの課題の検討です。

数学がしたい2007/10/07

ふと、中学や高校の時に習った各学科の基本的な勉強をもう一度したいと思うことがある。                                                                               まぁ、ただ学生時代に戻って同じ事をもう一度やるのでは実際意味がないし、そこまで暇をもてあましているわけでもない。                                                              幸い、建築学というのは全ての学問の集積の上に成り立っている。                                                  基本的に我々は、その集大成の結果を仕事として活用させてもらっているだけなのである。                                                                                話を戻して、ただ数学の教材を読み返すだけというのも芸がないので、最近は仕事前に一時間ほど構造力学の基礎の再学習をしている。構造力学はまさに物理学と数学の結晶と言っても過言ではない。                                                         再び読み返していくと、改めて数学の基礎学力の重要性を実感する。                                                高校生・中学生の時は「微分・積分なんて将来なんの役にたつんだ。」とか「三角関数なんて何処で使うんだ。」とか「電卓(約20年前当時)があるからいいじゃん」とか言っていたのだが、構造力学では、微積分無しに語れないし、三角関数なんかは構造はおろか、もっと広い分野の仕事でも活用されているのだと思う。                                                                               実際にはそうした数学的要素はコンピューター・プログラムの中に組み込まれていて表には現れてこないのだろうけれど、だからといって微積分を知らなくてもという事には絶対にならない。                                                                  少なくともそうした、仕事を支えている基礎を理解していなくていいはずはない。                                                                                       これは、きっと建築だけではなく我々の生活を支えている全てのものに共通の事で、我々はその結果だけを調子よく見て、聞いて、使っているのです。                                              成績が良くなる為、受験の為、いい大学にいく為、建築で言うならば一級建築士に合格する為、といったような何かの見返りを受ける為だけに勉強をするというのも、いいとは思うのですが、何かの仕組みを知る為に勉強するのも、なかなかいいものです。